無類のテロワール、その純粋さを高める

2011年にシャトー・グリエを購入して以来、無類の歴史価値を誇るこのブドウ畑の秀逸性向上を目指し、各区画の複雑な特性をより詳細に理解する努力が続けられています。秀逸さには高い要求が伴うもので、ブドウ畑では格別のケア管理と忍耐が絶えず求められています。

現在ドメーヌの統括管理はフレデリック・アンジュレに委ねられています。シャトー・ラトゥールおよびドメーヌ・ドゥジェニーの総支配人でもある人物です。また、ドメーヌ総監督の役割は、農学エンジニア・醸造学者であるペネロプ・ゴドフロワが担います。現場では、醸造学者アレッサンドロ・ノリが指揮を取り、熟練スタッフ2名から成るチームとともに作業にあたっています。

異なる区画それぞれの複雑多様な特性を理解すること、これは実にやりがいのある任務です。まさに「宝石」と呼ぶにふさわしいこのブドウ畑をピュアに輝かせるには、奥ゆかしさと謙虚な心が要求されます。作業に関しても、実に手間の掛かる作業です。ブドウ畑ではすべて手作業。精度の問題とともに、一部の段畑はあまりにも狭く、ゆいいつ人の手でのみ作業が可能です。積み石壁部分に関しても、歳月とともに修復が必要となり、毎年入念な畑の状態チェックが行なわれています。

樹液の流れを妨げないよう、また、樹を各種病害から守るため、ブドウ樹の整枝法をギュイヨ・サンプル式からギュイヨ・プーサール式に変更しています。それぞれの段畑の栽培上の特性およびアクセス状況に従って、土壌表層は、馬、ウィンチ、またはエンジンカルチベータ(耕運機)を使用して、あるいはつるはしなどを用いた手作業で耕作を行ないます。ブドウ樹は支柱仕立てで、支柱の高さは1メートル50センチ以上に設定します。これは地面から支柱先端までの高さをさします。また、ドメーヌ購入直後から、ブドウ畑全体をビオディナミ農法へ転換するコンバーション手続きを開始しています。植物ハーブおよび鉱物をベースに用いた特殊調合剤を使用し、バイオダイバーシティ(生物多様性)の価値尊重を基本理念として、テロワール独自の表現が最大限に活かされているワイン造りを目指す。土壌、植物、そして環境のバランスを高めることを目的とする農法です。

収穫には小型の箱(カジェット)を用い、選果研修を受けた少人数の熟練スタッフチームで行ないます。段畑ごとの特性、「ミクロクリマ」の特性を考慮して選別にかけ、それらセレクションごとに収穫、搾汁、醸造を進めます。こうすることで、テロワールごとに最適な熟度で収穫され、最終アッサンブラージュを行なうまで、テロワール特有のスタイルが保たれます。

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